三田社会科学研究会報告
野呂栄太郎

−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)吝《おし》まない

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から2字上げ]―「社会科学連合会」会報一九二四年十一月二十五日―
−−

 ともかくも順調な歩みをもって、華々しくはないが危なっけの少ない生長を遂げている。会員が案外よく会の本質を理解して積極的な活動を吝《おし》まないことと、絶えず熱心な入会者のあることとは、前途になお幾多いよいよ大なる困難の横たうものあるを予想しながらも、常に新たなる努力への尽きざる源泉を供するものである。ある会員が、一身上の都合で、活動資金三十円の寄附を申出たごときも、物質的にはもちろん、精神的にも一つの力強さを感せしめるものがある。なお予科の加入者増加は予科部独立の蓋然率を増したとともに、会友の熱心は会友部設置の必要を切ならしめつつある。こうした諸種の事情は必然会の内部組織の変更! というよりもむしろ新組織の採用―を可能にした。すなわち従来の一部専断に代うるに、研究。庶務。調査。図書出版。講演。会計の六部をもって事黎を分担することと
次へ
全3ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
野呂 栄太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング