お母さんと一緒」は大見出し]

おもちやの手桶を
買つて来た

おもちやの手桶で
なに汲んだ

お母《つか》さんと一緒に
水汲んだ

おもちやの箒で
なに掃いた

お母さんと一緒に
庭掃いた
銀の鈴

 

兎 兎
銀の鈴
やろか

お耳に 銀の鈴
さげて
やろか

兎 兎
うれしがつて
はねた

銀の鈴 ほしくて
ぴよこんと
はねた


[#1字下げ]お客にゆく日[#「お客にゆく日」は大見出し]

お下髪《さげ》に
  お結ひよ
可愛から

黒い油
  おつけよ
可愛から

赤い櫛
  おさしよ
可愛から

可愛から
  お客に
連れてゆこ


[#1字下げ]柿の木[#「柿の木」は大見出し]

種から生えた
柿の木は
百年たつても
柿の木だ

種から生えた
柿の木は
千年たつても
柿の木だ

山から 烏が
飛んで来て
「赤い柿 甘《うま》い」と
食べちやつた

烏が 食べても
柿の木は
いつまで たつても
柿の木だ


[#1字下げ]山ほととぎす[#「山ほととぎす」は大見出し]

山ほととぎすは
八千八《はつせんや》声《こゑ》

一声目には
四千四声

二声目にも
四千四声

山ほととぎすは
八千八声

一声目には
まだ夜は明けぬ

二声目には
東が白む

山ほととぎすは
八千八声


[#1字下げ]兎のダンス[#「兎のダンス」は大見出し]

ソソラ ソラ ソラ兎のダンス
タラッタ ラッタ ラッタ
ラッタ ラッタ ラッタ ラ

脚で蹴り蹴り
ピヨツコ ピヨツコ 踊る
耳に鉢巻 ラッタ ラッタ ラッタ ラ

ソソラ ソラ ソラ可愛いダンス
タラッタ ラッタ ラッタ
ラッタ ラッタ ラッタ ラ

とんで跳ね跳ね
ピヨツコ ピヨツコ 踊る
脚に赤靴 ラッタ ラッタ ラッタ ラ


[#1字下げ]虫の音楽[#「虫の音楽」は大見出し]

虫の音楽 面白い
面白い

鈴虫アりんりん
鈴振つた

松虫 ガチヤガチヤ
きりぎりす

虫の音楽 賑《にぎやか》だ
賑だ

りんりんガチヤガチヤ
チンチロリン

きりきりガチヤガチヤ
チンチロリン


[#1字下げ]螢の飛行機[#「螢の飛行機」は大見出し]

螢の飛行機
  山からホイ

早く山から
  急いで来い

飛行機ホイ
  山からホイ

ほウほウ螢の
  飛行機ホイ

早く山から
  急いで来い

飛行機ホイ
  山からホイ


[#1字下げ]四つの星[#「四つの星」は大見出し]

流れ星ア
  流れて
   落ちて来る

離れ星ア
  はなれて
   光つてた

かくれ星ア
  かくれて
    まだ出ない

渡り星ア
  渡つて
   海に落ちた


[#1字下げ]案山子[#「案山子」は大見出し]

夕やけ
小やけ

田甫《たんぼ》の
案山子《かかし》

明日《あした》は
天気

蓑笠
いらぬ

蓑ぬいで
ほせよ

笠とつて
ほせよ


[#1字下げ]野の虫[#「野の虫」は大見出し]

夜になると
野の虫は

なんにも
かんがへない

電燈をたづねて
とんでくる

電燈をたづねて
とんでくる

野の虫さへも
暗いのはきらひ


[#1字下げ]お留守[#「お留守」は大見出し]

ここのお家《うち》は
    お留守かい

ドンドン
    ドン

御門《ごもん》がしまつて
    をりますね

ドンドン
    ドン

お留守でお留守居
    ゐませんか


[#1字下げ]夜明け烏[#「夜明け烏」は大見出し]

カホカホ啼くのは
明け烏

もう夜《よ》が明ける
夜が明ける

夜明けの海には星一つ
お山の上にも星一つ

夜明けのお星は
もう見えぬ

もう夜が明ける
夜が明ける

夜明けにや夜明けの明け烏
カホオホ啼くから夜があける


[#1字下げ]一ツ目小僧[#「一ツ目小僧」は大見出し]

お空で光るは
あれは 何

あれは 闇夜の
お星さま

お背戸で光るは
あれは 何

一ツ目 小僧の
お眼《めめ》だよ

一ツ目 小僧の
目は 幾つ

一つ目 小僧は
一つだよ

二つ光るは
あれは 何

あれは お供の
お眼だよ


[#1字下げ]松虫[#「松虫」は大見出し]

チロリン チロリン チンチロリン
チロリン チロリン チンチロリン

松虫は
お藪にとまつて鳴きました

 お藪の蔭は
   茨と薄《すすき》

 茨にや刺《ささ》れ
   足《あんよ》が痛い

 薄にや切られ
   お手《てて》が痛い

チロリン チロリン チンチロリン
チロリン チロリン チンチロリン

松虫は
お藪にとまつて鳴きました


[#1字下げ]木の葉[#「木の葉」は大見出し]

雀になれよ
  雀になれよ

木の葉がとんで
  雀になれよ

雀になつて
  お屋根で遊べ

雀の鳥は
  お屋根で遊ぶ

雀に
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