ころりん
よく転ぶ

上手の スキーは
ずんずんと

するする するする
面白く

原でも坂でも
走つてる
[#改ページ]

童謡について一言[#「童謡について一言」は中見出し]

 この童謡集「朝おき雀」は、私が年来主張して来た所謂米英文化に影響されず、郷土即ち本来の日本国民性を護るために聊かなりとも児童の情操教育を培ふ基となれば幸ひであります。それについて童謡の立場から二三挙げて申し述べて見ませう。
 一体童謡は、児童の歌でありますから、児童に判りにくいむつかしい文字やむつかしい意味を避けて、誰にも判るやうに書かなくてはならないのです。それは自然の心から生れて来る童心を中心として書くなり作るなりしなくてはなりません。そこでこの童心を除外したり、無視しては童謡は出来ないのです、その上童謡には異性間の愛着があつてはなりません。異性間の愛着のあるのは民謡ですから、童謡は純真無垢と言はるるのもこの点からであります。また教育の上から注意すべきことであります。
 童謡には往々、犬と話をしたり、馬と話をしたり対人的の取りあつかひをします。何故かと言ふと犬も馬も万物あらゆるものは人間と同じに見るか
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