可愛 可愛と
烏は啼くの
可愛 可愛と
啼くんだよ
山の古巣に
行つて見て御覧
丸い眼をした
いい子だよ。
河原千鳥
こんこん 狐に
まはされた
娘は 昨夕《ゆんべ》も
帰らない
今夜も 河原で
啼け 千鳥
晩方《ばんげ》のお日さま
ゆつさゆつさ
小笹に ゆられて
ゆつさゆつさ。
ホーホー鳥
鶉《うづら》の鳥が
田甫で 啼いた
田甫の土を
踏み踏み 啼いた
ホーホー鳥も
お山で 啼いた
お山の森に
隠れて 啼いた
もう日が暮れる
お家《うち》へ帰ろ。
雪降り小女郎
泣く子は
帰れ
雀と帰れ
一軒家の
背戸に
雪五合降つて来た
山の 山の
奥の
雪降り小女郎
一里も 二里も
雪|負《しよ》つて
飛んで来た。
木小屋と柿の木
太郎作家《たろさくげえ》の鼬の子 『このごろ魂消《たまげ》た 出来事だ
太郎作どんには
内証《ないしよう》だぞ
次郎作《じろさく》どん家の
姉さまは
太郎作どん家の 柿の木さ
朝晩 かかつて
ゐたんだぞ
次郎作家の鼬の子 『己《おい》らも魂消た 出来事だ
次郎作どんには
内証だぞ
太郎作どん家の
鶏雛《ぴ
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