たりや
雀ヤ飛んで来て
啼いてからまつた
[#1字下げ]よいとまけの唄(掛合唄)[#「よいとまけの唄(掛合唄)」は大見出し]
音頭とり「よいとまきすりや
綱引き「この日の永さ
音頭とり「たのみましたぞ
綱引き「音頭《おんどう》とりさんよ
音頭とり「唄が切れたら
綱引き「唄|続《つ》ぎやしやんせ
音頭とり「寝てて暮らそと
綱引き「思ふちやゐぬが
音頭とり「杭の長さよ
綱引き「お天道《てんたう》さまよ
音頭とり「唄で引かなきや
綱引き「どんと手に来ない
[#1字下げ]夜あけ星[#「夜あけ星」は大見出し]
夜明お星さま
一つかや
宵に出た星ヤ
どこへいつた
天さのぼつたか
潜《むぐ》つたか
[#1字下げ]眼子菜[#「眼子菜」は大見出し]
蛙《かはづ》鳴くから
沼へいつて見たりや
沼にや眼子菜《ひるも》の
花盛り
沼にや眼子菜の
花盛り
蛙ア眼子菜の
蔭で鳴く
[#1字下げ]朝霧[#「朝霧」は大見出し]
夜あけ千鳥ぢや
あの啼くこゑは
帰りなされよ
お帰りなされ
川の浅瀬にや
朝霧立ちやる
霧は浅瀬の
瀬に立ちやる
[#1字下げ]青いすすき[#「青いすすき」は大見出し]
青いすすきに
螢の虫は
夜の細道 夜の細道 通《かよ》て来る
細いすすきの
姿が可愛ネ
細い姿に
こがれた螢ネ
夏の短い
夜は明けやすい
夜明頃まで 夜明頃まで 通て来る
[#1字下げ]粉屋念仏[#「粉屋念仏」は大見出し]
「粉屋《こなや》念仏」踊る子は
帰る
若い娘は
まだ帰らない
スタコラサ
スタコラサ
月も夜明にや
山端《やまは》へ帰る
寝ぼけ月なら
帰らない
スタコラサ
スタコラサ
[#1字下げ]波浮の港[#「波浮の港」は大見出し]
磯の鵜《う》の鳥ヤ
日暮れに帰る
波浮《はぶ》の港にや
夕焼け小焼け
明日《あす》の日和《ひより》は
ヤレ ホンニサ 凪《なぎ》るやら
船もせかれりや
出船の仕度
島の娘達ヤ
御陣家《ごぢんか》暮し
なじよな心で
ヤレ ホンニサ ゐるのやら
[#1字下げ]海の遠く[#「海の遠く」は大見出し]
海の遠くの離れた島で
かはい小鳥がうたふ
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