に、之を信ずる者も疑ふ者も、皆確かな考の根據を得ることが出來ぬのである。然しこの女眞族の同源説の如きは、一方に隣接して居る先進の民族がある爲に、事實と傳説との間に變化を生じた形跡が歴々と分る。此の證跡を應用すると、古傳説の中にある所の同源説を、大體に於て謬なく判斷することが出來るであらうかと思ふから、其參考の爲に試に此の一篇を書いて見たのである。
[#地から1字上げ](大正十年七月發行「民族と歴史」第六卷第一號)



底本:「内藤湖南全集 第八卷」筑摩書房
   1969(昭和44)年8月20日初版第1刷発行
   1976(昭和51)年10月10日初版第2刷発行
底本の親本:「東洋文化史研究」弘文堂
   1936(昭和11)年4月初版発行
初出:「民族と歴史」
   1921(大正10)年7月
入力:はまなかひとし
校正:土屋隆
2004年11月4日作成
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