史の上の中といふ根本の意味は何であるかと云ふと、私は簡册もしくは簿書の意義になる前に、弓の數取の※[#「※」は「竹かんむり+弄」、読みは「さん」、第3水準1−89−64、154−5]を入れる中の意味と解釋したい、前に申しました如く、周禮に「中を飾り※[#「※」は「竹かんむり+弄」、読みは「さん」、第3水準1−89−64、154−6]を舍き其の禮事を執る」と云ふことがあります、其の中、又儀禮に載つて居る中でありますが、中は物を數へる※[#「※」は「竹かんむり+弄」、読みは「さん」、第3水準1−89−64、154−7]を器の中に入れた形※[#「※」は篆書体、154−7]斯ういう形に※[#「※」は「竹かんむり+弄」、読みは「さん」、第3水準1−89−64、154−7]を舍く、其の形を極めて簡單に現はした時は「※[#「※」は「中」の篆書体、読みは「ちゅう」、154−8]」此の字になる、其れを手に持つて居るのが即ち史になつたのである、之が丁度今申上た儀禮と周禮と一致する所の史の意味から考へて見て、それから亦文字の形から考へて見ても、何の點から考へても宜いと思ひます。
最初の史と云ふ職務は弓の數
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