來ないとは考へられない。八神を祀つて居るのは地方に依りまして、日主といふのは今日の山東の成山角で祀つて居る。山東の出端でありまして、直ちに日の出る所に向つて居るから日主といふものが其處で祀られて居ります。天主といふものは齊の國の都、臨※[#「くさかんむり/巛/田」、第3水準1−91−1]といふ所でありますが、其處で祀つて居ります。臨※[#「くさかんむり/巛/田」、第3水準1−91−1]に天齊淵といふものがあつて、それを祀つて居る。天齊といふ齊の時は臍といふ字と同じ、天の臍といふことで、天の眞ん中と考えたのである。一體齊の方の傳説では、齊の國は臍だ、支那の眞ん中で、天の臍のある所にあるから齊の國だといふことになつて居りまして、齊の國の都に天の臍があると考へた。泉が幾つか涌いて居つて、それを天齊の泉といつて居る。さういふ風で地方に依つて色々に祀つて居る。で此の兵主神は其の中でも一番山東の西の方で祀つて居るのであります。今日でも山東人といふものは山東の内地から滿洲何處へでも喜んで移民する所の者であります。移民が滿洲地方へ參ります、又外國へも行く。それで古代の山東人が朝鮮半島を經て日本へ來たな
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