いか》に世態変化するとも、人は衣食住なくして生くること能《あた》はざるなり。而《しか》して衣食住の生産は農業を待ち、これを為すより外にその道あるべからず。政治は即ちこの生産を助長するの道にして、商工は即ちこの生産を融通するの道也。根幹を侮りて、枝葉のみを繁茂せしむる国は危し。
されば日本の百姓たるものは、自らが天皇の大御宝《おほみたから》たることを畏《かしこ》み、専《もつぱ》らこの道をつとめ、国に三年の蓄へあり、人に三年の糧《かて》あり、而して後に四方経営を隆《さか》んにすべきなり。而して後に通商貿易を盛んになすべきなり。本を忘れて末に走ることあるべからず。
近代は国難内外に起りて、志士東西に奔走すといへども、国本培養に心を注ぐの士、極めて乏しきは慨すべく歎ずべし。故に良き百姓は、世上の空言虚語に惑はされず、大いに食ひて大いに働き、自ら三年の糧を貯ふると共に、国に三年の糧を捧ぐることを本意と心得べきなり。百姓大腹なれば国富みて兵強く、百姓空腹ならば国貧にして兵弱し。つとめざる可《べ》けんや」
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これを読み了《おわ》った慢心和尚は大いに感心して、
「なるほど、な
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