青筋|出《いだ》して
向う鉢巻、すりこ木かかえて
威張ったとッても
天下の諸侯はなかなか服さぬ
足元あかるいうちこそ幸い
お国土産の芋でもくらって
屁《へ》でもこき出しひッたらよかろう
おらが親分お気が好過ぎる
自分の政事を一から十まで
取り上げられても黙っているのか
おめえはそれでもいいかは知らぬが
冥途《めいど》にいなさる神祖に対して
なンと言いわけしなさるつもりだ
  チャカポコ チャカポコ
    チャカポコ チャカポコ

二百余年の社稷《しゃしょく》の大業
人手に渡して済むか済まぬか
わからぬながらも積ってみなさい
一朝一夕、骨も折らずに
取ッたか見たかの天下じゃないぞえ
七ツの歳から駿河《するが》の人質
数年の辛苦も臣下の忠義に
ようようお家にお帰りなさると
門徒の争乱
大高城内、兵糧運びの
三方《みかた》ヶ原《はら》には一騎の脱走
武田北条、左右に引受け
孤立の接戦、数ヶ度の敗軍
つくづく思えば涙がこぼれる
小牧山なり、関ヶ原なり
大阪御陣も、眉に火のつく火急の接戦
夏は炎天
兜《かぶと》の上から照りつけられても
水も呑めない
冬は寒気が肌《はだえ》を通して
霜をいただき
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