「まあ、壬生浪《みぶろう》……」
「恐れるには当りませんよ、これもふとした縁でしてね、好んで新撰組に加わったわけじゃありません」
「では、あなたはずいぶん、お手が利《き》いていらっしゃるのね」
「剣術が少し出来るんでね、まあ、それで身を持崩したようなものです」
「よくまあ、でも、その御不自由なお身体《からだ》でねえ」
「こんな不自由な身で生きているというのが不思議なんです、いいや、不思議なんて、そんな洒落《しゃれ》たことではないです、恥さらしなんです、業さらしなんです、まあ普通の良心を持っている奴なら、とっくに、どうかしてるんですがね、こんな奴は、天がなかなか殺さないんです、つまり、なぶり殺しなんですね、あっさりと殺してしまうには、あんまり罪が深い」
「そんなことはありませんよ、自暴《やけ》におなりになってはいけません、あなたなんぞは、お若いに、これからが花ですよ」
「ふーん、これから花が咲くかなあ」
「咲かなくって、あなた、どうするもんですか、わたしなんぞごらんなさい、ことし、幾つだと思召《おぼしめ》す」
「左様、女の年というものは、若く言って叱られる、老《ふ》けて言うと恨まれる、
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