て、何という醜態だ。
 そうだ、してみると、これより後の自分は、彼の亡骸《なきがら》をたずねて歩くより道がない。
 兵馬は、どうも、こんな暗示が胸いっぱいになって、竜之助ははや完全にこの世の人ではない、今後存在するとすれば、それは亡骸であり、亡霊である、これから自分の魂がそれを追いかけて歩くだけのものだ、力が抜けた、張合いが抜けた、というような気分で、兵馬の心が底知れず滅入《めい》って行くのであります。
 そうなると、夜が明けるや、一刻もここに留まっている気がなくなって、長浜まで一気に走り帰って、例の蛇《じゃ》の目《め》の浜屋へつくと、若いお内儀《かみ》さんが、なつかしそうな色を面にたたえて、よくまあ戻ってくれたという好意に溢《あふ》れて迎えてくれて、前夜と同じ部屋へ案内を受けました。
「いや、胆吹の女傑のあとをたずねて見ましたが、館《やかた》はあるが、人がいませんでした、人っ子ひとりおりませんでしたよ、解散したのでしょう。解散したとすれば、あの一味はドコへ行ったものでしょうか」
「多分、大江山でしょうと思いますが」
 またしても大時代――胆吹山でなければ大江山、兵馬はこれにも、げんな
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