かされておいでになったんじゃなくって?」
「いいや、これも悪友ではない、第一、悪友どもにこの神尾を見立てて京都へ行けというほどの実力ある奴がいるか。京都へ行けば、当分、遊びたいだけの遊びをしていいという軍費が出る、何一つ不足をさせない、その上に、仕事といってはただ遊んでいさえすればいいというのだから、神尾主膳あたりには打ってつけの役廻りだ」
「今時、そんな茶人があるものですかねえ、ほかならぬあなたをお見立てして、京都で思うさま遊ばせて上げようなんて、そんな有り余るお宝の持主がありますかねえ」
「それが有るのだ、有るべき道理あって有るのだから、やましいことがなく、しかも遊んでさえいれば、それが立派な御奉公になろうというのだから、まず近ごろ、これ以上の耳よりな話はないさ」
「そんなら、あなた、お考えになるまでもなく、早速お受けになればよいに」
「いや、それも一人じゃいやだよ、誰か面倒を見てくれる人が附いていてくれなくちゃあな、神尾もそうそう、若い時の神尾じゃないから、花の都へ上ったからとて、そう無茶な遊びもやれない、誰かついて行ってくれればいいがと考えたから、お受けもせずに戻って来た、家に
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