だから、何か仕くれえ[#「仕くれえ」に傍点]があったに違えねえ。おれも面白くねえから、あんまり大事にしてやらなかったが、やっぱり前の男と切れなかったのか、また別のをこしれえやがったのか、ああして追出《おんで》てしまやがって、その後は、さっぱり消息《たより》を聞かねえ、聞きてえとも思わねえし、聞きたくもねえのだが、ロクなことはあるめえよ、本木《もとき》にまさる末木《うらき》なしでなあ、人間、一ぺん夫婦となった以上は、どっちにどういう間違いがあっても、離していけず、離れていけねえ、間男《まおとこ》をしようとも、やくざをしようとも、そりゃ亭主の器量が足りねえんだとあきらめて、嬶は免《ゆる》してやることだ、一生可愛がってやることだ、おれはそう思うよ。あの時に、おりゃ、もう少し嬶を可愛がってやるんだっけ。苛《いじ》めもしなかったがな、面白くねえから、いい顔を見せなかった、朝晩いい面を見せられなけりゃ、女房は辛いよ、女房だけが悪いたあ言えねえ、亭主にそれだけの徳がねえから、女房が悪いこともするということになるんだ。だから、若い娘にはいい亭主を持たせてやりてえ、なるべく早く、なるべくいいところへ、物
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