好きになりました。海上生活が好きになったというよりは、この中の同志が物珍しくて、そうして、いずれも内容があって、親切であることが、単純な山の中の人と共に生きているよりは、なんとなしに豊かなものであることを知って、この人たちと共に暮すならば、海の涯《はて》、山の奥、どこまでもと言いたい気分になっているのでした。それから、この植民地が出来るにつけても、女としては唯一無二の働き手です。お松も働き手ではあるが、それは上局の部分に属して、主として船長附きになっているから、開墾そのものと、その生活の世話に、手を下して助力するということはできません。その不足を、お喜代ひとりが補って余りあるのです。この娘は山方でも、家柄のいいところへ生れたのですが、労働を厭《いと》わないのみならず、労働に慣れておりましたから、ほんとうにここでは三面六臂《さんめんろっぴ》の働きをします。口数が少なくて、働くことは三人前もしますから、この点に於ても申し分はありません。そうして、張りきって何不足なく働くものですから、体力もみるみる実が入って、はちきれそうな肉体の豊かさを、紺飛白の着物の下から、唐ちりめんの赤い襷帯締《たすき
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