やら
わからぬ歩兵を催し散らして
出かける騒動、馬鹿と言おうか
たわけと言おうか、耳はあっても木耳《きくらげ》同様
まなこはあッても節穴《ふしあな》同然
木偶《でく》の坊《ぼう》とはこれらのことだよ
いまに見なせえ
中国西国激浪|漲《みなぎ》る天下の騒動
お江戸は灰燼《かいじん》、その時どうする
ガラガラ崩れて地べたへ転げて
鼻血と涎《よだれ》を流したとッても
六日の菖蒲《あやめ》に十日の菊酒《きくざけ》
あとの祭りでおさまり附かない
  チャカポコ チャカポコ
  スチャラカ チャカポコ
  スチャスチャ チャカチャカ
  スチャチャカ ポコポコ

譜代恩顧の小禄大名
やっぱり間抜けで仕方もなけれど
これらは天下の米喰虫にて
論に足らない度外の奴原
何はともあれ肝腎《かんじん》かなめの
天下の権老、こんなことではまことに困った
神祖以来の尊き大業
賊徒の馬蹄にかけるは歎息
数も知らない旗本御家人
多くの中には一人や半分
忠義なお人が有りそなものだよ
三千以上のお高を貪《むさぼ》り
惰弱な奴原、役には立たない
かかる危急の場合にのぞんで
やっぱり寝惚《ねぼ》けて
半高なんぞと
己《おの》れに水引き小言を言いおる
主家が亡びて己れが俸禄
万々年まで保つの所存か
お先真暗、足許見えぬも程があります
間抜けで腑抜けで奥詰銃隊
藁人形《わらにんぎょう》にも劣った人物
遊撃隊にも困ったものだよ
槍術剣術、役には立たない
これこれ旗本、しっかりしなせえ
今の時節はなんと思うぞ
一同|挙《こぞ》って京都へ詰め寄せ
愁訴と出かける覚悟はないかえ
さりとは困った腰抜け揃《ぞろ》いだ
鳶《とび》の人足、土方といえども
頭《かしら》がやられりゃ皆々出かける
中間《ちゅうげん》小者《こもの》に劣った了簡《りょうけん》
引っこみ思案は泰平な時だよ
これほど励まし、わけがわからにゃ
虫ともなんとも言い様がござらぬ
残らず揃って両国橋から
身でも投げるか
豆腐で天窓《あたま》を叩き壊して
いッそ死んだが何よりましだろ
  スチャラカ チャカポコ
    スチャラカ チャカポコ

大関兄さん、お前が頼みだ
ピンピンやらかせ
あとの奴等は頼むに足らない
玄蕃《げんば》の水汲み読書が足らない
漢字ばかりじゃ叶《かな》わぬ世の中
翻訳本でも見たらばよかろう
平岡丹州、石川、京極、立花
なンぞは蛆虫《うじ
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