……」
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息子というのは今のその利け者の勝麟のことで、稽古にいく途中、病犬に食われた、江戸は犬の多いところだが、病犬はあぶない、食われるに事を欠いて、キン玉を食われたんでは只事《ただごと》でないと、神尾が思いました。
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「ソノ時ハ、花町ノ仕事師八五郎ト云ウ者ガウチヘ上ッテ、イロイロ世話ヲシテクレタ、オレハウチニ寝テイタガ、知ラシテ来タカラ飛ンデ八五郎ガ所ヘ行ッタ、息子ハ蒲団《ふとん》ヲ積ンデ、ソレニ寄リカカッテイタカラ、前ヲマクッテ見タラ、玉ガ下リテイタ故、幸イ外科ノ成田ト云ウ人ガ来テイルカラ、命ハ助カルカト尋ネタラ、六ツカシク云ウカラ、先ズ悴《せがれ》ヲヒドク叱ッテヤッタラ、ソレデ気ガシッカリトシタ様子故ニ、駕籠《かご》デウチヘ連レテ来テ、篠田トイウ外科ヲ地主ガ呼ンデ頼ンダカラ、キズ口ヲ縫ッタガ、医者ガフルエテイルカラ、オレガ刀ヲ抜イテ、枕元ヘ立テテ置イテ力《りき》ンダラ、息子ガ少シモ泣カナカッタ故、漸々縫ッテ仕舞ウタカラ、様子ヲ聞イタラ、命ハ今晩ニモ受合ハ出来ヌト云ッタカラ、ウチ中ノ奴ハ泣イテバカリイル故、思ウサマ小言ヲ言ッテ叩キチラ
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