和歌を持って来たから直してくれとか、評をしてくれとかいうことになると、なあに、この野郎がもたらすものだと軽蔑しながらも、その風流のやや向上気味なるを取らないでもないが、もたらしたその三一旦那《さんぴんだんな》の歌というやつが、茶漬にもならない代物《しろもの》だから、主膳もおのずから不興になったので、その不興が相当真剣になっているので、鐚《びた》も多少怖れている。
「そりゃ、あなた、お大尽と申しやしたところで、根が町家の商人のことでげすから、高家《こうけ》歌よみ家のようなわけには参りません、町人のお大尽でも、このくらいの風流があるというところも買っていただかなけりゃ。あなた、三一旦那は定家卿《ていかきょう》でも、飛鳥井大納言《あすかいだいなごん》でもございません、そう、殿様のように頭からケシ飛ばしてしまっては、風流というものが成り立ちません、第一、初心のはげみになりませんから、何とか一つ、そこは花を持たせていただきてえもんでござんして」
「黙れ黙れ! 言語道断の代物だ――笑って済むだけならまだいいが、見て嘔吐《へど》が出る、ことに、第五句のところ……」
「そこでげす!」
「そこが、どうし
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