と対立の勢いになったのだ」
「そうか、そうして君はいったい、どっちに属するのだ、新撰組か、御陵衛士隊か」
山崎から訊問《じんもん》のように言われて、斎藤は、
「拙者か――拙者はもとより新撰組、だが目下は、都合があって御陵衛士隊に寓《ぐう》している」
「二股者《ふたまたもの》――」
と山崎から一喝《いっかつ》されたが斎藤、なかなかひるまない。
「いいや、二股ではない、昨日は新撰組にいたが、今日は御陵組だ、昨日は昨日、今日は今日、朝《あした》には佐幕となり、夕《ゆうべ》には勤王となる、紛々たる軽薄、何の数うることを須《もち》いん――」
斎藤の語尾が吟声になったが、直ちに真面目に返って、山崎の耳に口を寄せると、
「近藤隊長の命で、御陵衛士隊へ間者に入ってるんだよ、僕が――伊東をはじめ高台寺の現状を、味方と見せて偵察し、巧みに近藤方に通知するのが拙者の任務だ」
「そうか」
山崎も納得したらしい。この斎藤というのは名を一《はじめ》と言い、藤堂平助と共に、江戸以来、近藤方の腹心であったが、今度は藤堂と相携えて御陵隊へ馳《は》せ加わってしまった。藤堂の方は新撰組に何か不平があってしたのだから、
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