日の福井青年であります。この三人を乗馬もろともに庭先へ呼びよせて、次のような命令を下したものです。
「君たち、ひとつこれから春照へ下って、一致するなり、分離するなり、おのおの臨機の処置を取って、山麓いったいを偵察して来てくれ給え、目的は一揆暴動連の行動の如何《いかん》を見ることにあるのだ――彼等の群衆がドノ辺から来て、ドチラの方向へなだれ込むか、だいたいその方向を視察して来てもらいたい。万一、大勢が当方面をめざして進んで来るという形勢が見えた時には、誰でもが、単独でよろしい、早刻にここまで注進をしてもらいたいのだ。もしまた、それほど差迫った形勢が見えない、他方面へ向って進行しつつあるような場合には、報告を急がずともよろしい、だいたい六ツ時頃までに、轡《くつわ》を並べてここへ帰って来るように」
こういう命令を下しているのは、この師団長は、一揆暴動の形勢が他方面へ流出する分には敢《あ》えて意としないが、万一、こちらへ向ってなだれ込んで来る形勢には極力警戒をしなければならない。事実上また、胆吹を目ざしてなだれ込んで来るというような形勢が、最も有り得る形勢であると見られる理由もある。それが、
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