め立てをしました。

         百六十九

 鶴は千年とか、亀は万年とかいって、大ざっぱに老松の齢を千年だときめてしまうことは、非科学的ではあるが、観念的には許されるとして、その千年の下へ、八年がくっついたから、それで、よたとん[#「よたとん」に傍点]が聞き咎めたのであります。
 千年は千年でよい、千年の松は千年の松のみどりでよろしいが、一千〇八年という端数がついてみると、相当に数学的根拠と、植物学上の実験を催促しなければならない段取りになったから、よたとん[#「よたとん」に傍点]が聞き咎めると、松の番所のおやじはすましたもので、
「はい、松というものは、千年経ちますると、枝がはじめて地につくものでござりましてな、私は長らくこの松の御番をつとめておりますが、この松の枝があの通り地につきましてから、これで、指折り数えてみると、八年目になりましてな、じゃによって、この松の樹齢は一千と八年になりますさかい」
「そうか」
 その説明を聞くと、よたとん[#「よたとん」に傍点]がかえって油揚《あぶらげ》をさらわれたような面《かお》をしました。
 さすがのよたとん[#「よたとん」に傍点]も、
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