ひがめか、かく取揃えし山海、いや山湖の珍味、百味の飲食《おんじき》、これをたらふく鼻の下、くうでんの建立に納め奉れば、やがて渋いところでまんどころのお茶を一ぷくいただき、お茶うけには甘いところで摺針峠《すりばりとうげ》のあん餅《もち》、多賀の糸切餅、草津の姥《うば》ヶ餅《もち》、これらをばお茶うけとしてよばれ候上は、右と左の分け使い、もし食べ過ぎて腹痛みなど仕らば、鳥井本の神教丸……」
 これを、べらべらと言いながら、お追従《ついしょう》をはじめました。
 空々しい奴等ではあるが、根がお角も派手商売で、こんなことが好きなんだから、こいつらを思いきり遊ばせて、自分もいい心地で納まり返っています。
 そのうちに、げいこが弾き出し、うたい出す。舞子が舞いはじめる。一つ松の下は大陽気の壇場となって、行く人の足を集めます。
 陸上を行く人ばかりではなく、湖上を巡る舟も、ここへ来て、この大陽気をながめると舟足をとどめ、棹《さお》をひかえて、それをながめないものはありません。なかには、わざわざ同じところへ舟をつけて、松の枝にともづなをかけて、自分たちも興を共にするつもりになったものもあります。この場
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