けいな口を利《き》き出して近づいて来る。五十嵐がむっとして、以前より少々厳しく、
「ナニ、君が近藤勇の同郷であろうとなかろうと、こっちの知ったことじゃあない、それがために近藤の人物が上下されるわけのものじゃあない、よけいなことを言わっしゃるな」
と言いますと、よたとん[#「よたとん」に傍点]先生はのぼせきっているものですから、
「違いますよ、お前さんたち、あんまり近藤勇を買いかぶるから、それで、ついそんなことになっちゃうんでげす、なあに、近藤勇なんて、たいした人間でもなんでもありゃしねえ、あんなのを買い被《かぶ》って、今の時代の寵児《ちょうじ》かなんかに祭り上げてしまうから、こんなことになるんでげす、同郷のよしみで、わっしゃ気恥かしい、なあに、みんなコレですよ、コレで動いているんでげすよ」
と言って、指で阿弥陀様のするように、丸い形をつくって見せて、下品な笑い方をしました。誰も、変な先生だと思わないわけにはゆかないでしょう。仮りにこの男が近藤勇と同郷人として、同郷人ならば相当花を持たせて然《しか》るべきものを、聞かれもしないに、頭から罵倒してかかっている。罵倒を丸出しにしてかかっている
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