の馬力で、御用をつとめますから、その方もまあ御安心くださいまし」
「いったい、高山のどこへ預けて来たんですよ」
「こうなっちゃ、すっかり白状してしまいますが、あの宮川通りの芸妓屋《げいしゃや》、和泉屋の福松という女のところへ、確かに三百両預けて参りました」
「あの福松に――憎らしい」
お蘭どのは、どうした勘違いか、がんりき[#「がんりき」に傍点]の膝をいやッというほどつねり上げたから、
「あ痛! 何をしやがる」
と、百の野郎が飛び上ったのは当然です。そこでお蘭どのがまた、御機嫌斜めで、
「嘘つき、あんな芸妓にわたしの金を預けるなんて――預けたんじゃない、やってしまったんだろう」
「御冗談、あんな田舎芸妓に、三百両を捲上げられるような、がんりき[#「がんりき」に傍点]とはがんりき[#「がんりき」に傍点]が違いますよ、見そこなっちゃあいけねえ」
「本当ならお前、それを取って来て、わたしの眼の前に並べてごらん」
「言われるまでもねえことさ、これからひとっ走り行って持帰って来てごらんに入れると、さっきから、あれほど言ってるじゃねえか」
「じゃあ、そこでお前さんの本当の腕と、実意を見て上げよう
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