こと言うもん[#「もん」に傍点]の頭をステテコテン
[#ここで字下げ終わり]
と、負けない気になって合唱をはじめる。そうすると前のやからが、ひときわ声を励まして、
[#ここから2字下げ]
医者どんの頭をステテコテン
医者どんの頭をステテコテン
[#ここで字下げ終わり]
と合唱する。それに対抗する一方は、またひときわ声を張り上げて、
[#ここから2字下げ]
そんなこと言うもん[#「もん」に傍点]の頭をステテコテン
そんなこと言うもん[#「もん」に傍点]の頭をステテコテン
[#ここで字下げ終わり]
ステテコテンの対抗合唱で、天地も割れるほどの騒ぎとなったが、塾長先生は、別にそれを制しようともせず、叱ろうともせず、一席の講話を終って息を入れているところの、土橋講師のところへ行って、
「大へんにため[#「ため」に傍点]になるお話を聞かせていただいて、わしらも貰い泣きをしたでがす」
と言って、頭を下げて挨拶をしました。
七十七
お銀様の父伊太夫は、その日は書斎にたれこめて、帳面を見たり、物を考えたりしていました。
伊太夫に大きな悩みのあることは、すでにわかっていること
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