るか、こういうところへわざわざ食事に来る奴の面《つら》を見てやりたいという気にもなって、改めて列座の者共を睥睨《へいげい》する意気組みで、次から次への面調べにかかると、全くこのいずれも、日本流の茶屋小屋では見られない風采と面《かお》ぶれとです。神尾は自分の三ツ目の面を曝《さら》すことの不快を全く忘れ去るほどの興味で、一座の奴を見渡しているのです。介添役には金助改め鐚助《びたすけ》がついている。
 やがて、今度は支那服でない白い被《おお》いのついた筒っぽを着た数名の給仕が現われて、またまた白い中皿に湯気の立つやつを、いちいちその客の前に並べて廻りました。無論、主膳の前にもその一枚が並べられてある。
「これが西洋のお吸物、スップでげす」
 びた公は小声で言って、自身まず匙《さじ》を取り上げて、主膳にもこうして召上れという暗示を試みたのです。
 鐚公のするようにしてスップを吸い終った主膳は、そのまま手を束《つか》ねていると、給仕が来てその皿を持って行ってしまう。その隙《すき》にまた主膳は、一座の奴等を白い眼でじろりと一通り見渡しました。同席の自分とびた公以外の同席に七人の客がいるが、そのうち
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