しゃりながら、そうして聞くは一時《いっとき》の恥、聞かぬは末代の恥だから、何でも先輩に向って、先輩を困らせるほど質問をしなければ、学問は進歩しないなんぞとおっしゃりながら、わたしが順々に質問を進めて参りますと、もう、そんな乱暴なことをおっしゃる――」
「うむ――わからねえ、わからねえ、お雪ちゃんという子もわからねえ子だ、こっちが降参したくなっちゃった、ムニャ、ムニャ、ムニャ」
 道庵は早蕨《さわらび》のような手つきをして、盃を高くさし上げた姿を見ると、身ぶり、こわ色でごまかそうとするもののようにも見えるので、
「先生は、卑怯なんでございますね、もし、その上わたしが、では子を堕《おろ》す仕方はどう、またそのいい薬があったら教えて頂戴と、本当に切り出したらどうなさいます。それから、間《ま》びくというのは、どんなことか、その仕方や実例なんぞを挙げて教えて下さいと伺ったら、どうなさいます。ごまかしたっていけません、わたしはこれでもすべて物事に徹底しないと、やめられない学問の癖があるのでございますから、途中でおやめになっては罪です、わたしが許しません、先生らしくもない」
 お雪ちゃんにこう浴びせ
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