という阿魔はどこへうせた!」
「や、一足遅かった! あれだ、あの遊山舟で乗り出したあれがお角に違えねえ!」
「もう一足早かりせば」
「あんたはん、どないに致しやしょう、相手はお尻《いど》に帆かけて逃げやんした、どないに致しやんしょう、ちゃあ」
彼等はとりあえず、岸に立って、遥かに乗り出して行くお角の遊山舟を見渡しながら、土佐の卜伝《ぼくでん》に置きざりを食った剣術高慢のさむらいのように、地団駄を踏んで歯噛みをする事の体《てい》が尋常ではありません。
しかし、どうやら見たような面《かお》ぶれでもある。
あ、なるほど、
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古川の英次
下駄っかけの時次郎
下《しも》っ沢《さわ》の勘公
雪の下の粂公《くめこう》
里芋のトン勝
さっさもさの房公
相撲取、松の風
よたとん(四谷っとんびの略称)
安直兄い
木口勘兵衛尉源丁馬
[#ここで字下げ終わり]
どうしてこの連中が今ここへ、こんなにまでして血眼になって駈けつけたか、その仔細を聞いてみると――
この連中は、恨み重なる垢道庵を胆吹山へ追い込んで、このたびこそは有無の勝負を決せんと、春照高番まで取りつめてみたが、味方に
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