どう解釈しているか、それに探りを入れてみようと思い定めました。
 その時分に、庭先へ、また例の御定連《ごじょうれん》の子供たちが、どやどやと入りこんだ物音を聞きました。

         三十二

 男の子と、女の子と、入り乱れてキャッキャッと遊ぶ子供の肉声を聞くと、神尾主膳の血が物狂わしくなりました。
 浅ましいことの限りに、主膳は、子供の声を聞いてその童心に触れることができません。いかに性悪な人も、おさな児の姿に天国の面影を見ない者はないはずですが、悲しい哉《かな》、神尾主膳にとっては子供の肉声が、自分の血の狂いを齎《もた》らすのは、特にあのこと以来のことであります。
 あのことというのは、先頃までよく遊びに来ていた、大柄な、少し低能な、そのくせ色情だけは成人なみに発達している、よしんベエのこと。吉原遊びをするから、お前おいらんになって、廻しをお取りといえば、直ぐにその真似《まね》をする女の子、隠れんぼをして主膳の書斎へずかずかと入って来て、主膳の膝を隠れ場所に選んだバカな女の子――このごろ姿が見えないから、仲間の子らにたずねてみると、「ああ、殿様、よしんベエはお女郎に売られたん
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