が通りましたら、お知らせ下さいましな、ツイ、わたしが見はぐれるといけませんから、どうぞあなた様にもお願いいたします」
「でも、わたしはお前のお父様を知りませんよ」
と、お銀様が正面を切りながら答えたのは当然でした。
「わたしのお父さんは、色が黒い方で、背は低い方で、身体も痩《や》せていますが、ただ、この額のところから頬のところへかけて、大きな創《きず》がございます、若い時に、木を伐《き》りに行って怪我をした大きな創がございます」
数珠《じゅず》で自分の額を撫で、こう言いながら、またお銀様の面を見上げました。その時にお銀様は、自分の面をそむけるような形で、
「では、お前さんの方で気がつかないうちに、お父さんがお前さんを見つけるでしょう」
「いいえ、お父さんは、わたしが迎えに来ているということを知らないでしょう」
「それでは、大きな声で呼んでごらんなさい」
「でも……」
小さな尼は口籠《くちごも》って、
「でも、お父さんを呼びかけることが、あの人の為めにならないかも知れません……どうぞ後生《ごしょう》ですから、小柄な、面の黒い、そうして額際から頬へかけて大きな創のある人にお気がつきまし
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