ばい》」
「亦楽梅《えきらくばい》」
「長条梅」
「馬屋梅」
「孤影梅」
「玉堂梅」
「飛雲梅」
「金籠梅」
「珠簾梅」
「娟女梅《けんじょばい》」
「東明梅」
「西暗梅」
 一木を得るに従って一名を選み、それをサラサラと木札に書いて、与八に与えて、それぞれの木に結びつけさせる。鈍重な与八が、応接に追われるほどの進行ぶり。見ていた村の持主たちまでが舌を捲いてしまったというのは、物の名をつけるのは、八兵衛、太郎兵衛でさえむずかしい、一木一草にでさえ、しかるべき雅名を与えるのは容易なことではない、おのおのの持ち分の老梅にも何とか名をつけたがったり、つけてもらおうとしたり、相当の学者に頼んでおいたりしても容易に出来ないのに、この和尚様は、一木を得るごとに一名を選むこと、数字の番号を打つことの速さと同じことだ、博学な坊さんもあったものだと驚く。それに頓着なしの東妙和尚、
「梅は、ずっと昔、支那から渡って来たものだということになっているが、それもしか[#「しか」に傍点]とはわからぬ、九州の梅谷《うめがや》というところ、甲州の富士の麓なんぞには、たしかに野生の梅があるのだからな。どうも、わしの頭で
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