のなら、立派に斬られてごろうじ、骨はわしたちが拾って帰りやす、さあ、おさむらい衆、うちの兄さんを、お斬りなさい――立派にお斬りなさい」
 そこで、親方が、いよいよ強気になる。
「さあ、斬られましょう、夜討や暗撃《やみうち》を喰うのと違って、こうして晴れた明るい天気、千万という皆様のごらんなさる前で、腕のお立ちなさる若いさむらいさん方のお手で、さっぱりとやられたら、ずいぶん、気持のいいことでございましょう、このごろは悪血《あくち》が肩へ凝《こ》ってどもならん、ここの肩のところから、すっぱりやって下さんせ、さあ、お斬りなさい」
と身体《からだ》を突きつけたものです。
 この体《てい》をお角さんが見て、ははあと一切を合点しているうちに、立会の者の囁《ささや》くところを聞いていると、この傍若無人の悪ざむらいが、今までの手並で、この芸妓連を見かけると、得たりとばかり分け入って、いちいちその頬っぺたを撫で歩いたのが、喧嘩のもとだということです。
 案の定!
 お角としては、自分たちが引受けねばならなかった役廻りを、この芸妓連の一行が買い受けてくれたようにも思われて、本来は、痛快を感じて、多少声援の
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