といって、駒井は二人の給仕を受けて、御飯を済ますと、その足で、再び、もゆる子の室を見舞ってみました。
「ねえ、殿様、マトロスさんの行方《ゆくえ》はまだわかりませんか」
「わからない」
「許して上げてください、わたしは、なお繰返して考えてみましたが、いよいよあの人が憎くなくなりました」
「ふーむ」
「殿様、あなたは、まだお気が解けないようでございますが、御無理もございませんけれど、ねえ、どうかマドロスさんを許して上げてください」
「許すも許さないもない」
「お叱りにならないように。もし、行きところがなくなると、あの人は、わたしたちよりも一層哀れですからね」
「自分の犯せる罪の、当然の報いだろう」
「ほんの一時の出来心でございますよ」
「出来心! この上もなく危険性を含んだ出来心……それがたびたび繰返されてはたまるまい」
 駒井が苦々しく言いきると、
「危険性とおっしゃいますけれども、すべての男の方はみんな、どなたも、あの危険性を持っておいでなのじゃありますまいか。わたしは、マドロスさんに限ったことはない、男という男の方は、隙があれば女を犯そうとしているもの、それが少しも危険なことじゃなく
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