たのは、もうこれで三度目です。このままにして置いては悪いが、そうかといって、呼びさませばなお始末が悪いかも知れぬ。第一、持運びにも困難だ。
「よし、誰か取りによこそう、このままにして置け」
苦りきった駒井は、茂太郎を促して、その場を去ってしまいました。
そうして、駒井は陣屋へ帰って来て、内外を一巡して見たが、マドロスの不在のほかには、別に異状がありません。
兵部の娘も、金椎《キンツイ》も、おのおの、牀《とこ》について、安らかに眠りに落ちているようです。
「茂君、お前、もうよろしいからお休み」
提灯を消して、蝋燭《ろうそく》の煙をながめていた茂太郎が、
「殿様、マドロスさんをどうしましょう」
「そうだな」
駒井は思い出したように、
「貞さんを呼びましょうか」
「もう寝ているだろう」
「起しましょうか」
「気の毒だ」
「では、金椎さんと、わたし、二人で行ってマドロスさんを、かついで来ましょうか」
「金椎もよく寝ているのにかわいそうだ、それに二人の力ではかつげまい、まあ、いいから、ほうって置け」
「では、マドロスさんを今晩中、あのままにして置きますか」
「一晩、すずませてやれ、生命
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