わたしは、ああして姉妹同様に一つ小屋で稼《かせ》いだ仲でしょう、人一倍、あの子のことが気になって、一日だって忘れたことはありゃしません。そうして、あの人が生きているに違いないと思ったり、もう、疾《と》うに死んでしまったように思えたり、どうも気になってたまらないものですから、神仏《かみほとけ》にお願い申すよりほかはないと思いました。わたしは、どこにいても、朝晩、君ちゃんのために、神様と仏様を拝まないことはありませんのよ。今日だってお前さん……」
お杉であったよっちゃん[#「よっちゃん」に傍点]は、今日もまた、この万松寺へ参詣したのは、その昔の朋輩思いのために、このお寺には、白雪稲荷のほかに「足止め不動」というのがある。家出人や、駈落者が遠くへは行かないように、この不動尊の足を縛っておくと、動けなくなってやがて帰って来るとの迷信がある――それを信じて、昔の朋輩のお君のために、この娘は不動尊の足を縛りに来たのだが、それが、米友さんの足を縛ったことになったのも有難い……と。
そうして、この名古屋に来ているという理由も、お君と離れてから、間の山稼ぎも面白くなく、看板は新進に譲り、自分は、これ
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