のものです。
 そこで、米友は、誰のなんらの怪しみにもでくわさずして、手早く荷物を取って肩にかけ、杖槍を拾い取って、飛び立ったが、さて、行かんとする周囲は、踊り連の妙《たえ》なる手ぶりで、蟻も通わせぬようになっているから、さすがの米友も、その一方を突破するに当惑しました。
 手を放して、めぐっていた踊りの連中が、この時は、また手をつなぎ合って、ぐるぐるめぐりを始めたから、相手がこの連中であるだけに、米友としても、鉄砲玉のようにその一角を突き破って通ることに、いささか躊躇《ちゅうちょ》を感じました。しかしながら、その一角を突き破らぬ限りには決して、この囲みを解いて、自分の身を解放することができないと考え、そこで思いきって、突破にかかろうとしたが、さてまたそこで、いずれあやめと引きぞわずろう、というわけでもあるまいが、どこぞに突破口を求むれば、必ずその一角が犠牲に供される。米友としては、この踊りの連中のいずれに対しても、特別に信用と贔屓《ひいき》とを感じているわけではない。実際、こういうふうに、まんべんなく緊張して、いずれもいい気持になって踊っている時には、特にここを破ろうとの破綻《はたん
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