の御祝儀のお供ぞろいみたようなものです。
こんな、あたりまえのお供ぞろいに、さりとは仰山らしい人だかり、それをまた道庵ともあるべき者が、
「奇妙奇妙」
と、高い山から谷底でも見るような気持で、のびやかにそれを見下ろしている光景も、のどか[#「のどか」に傍点]なものです。それをまた、
「先生、いいものに、ぶっつかりました、これぞ、熱田西浦東浦の名物、元服の加儀の行列でございます、ほんとに今日の拾い物といってしかるべし」
同行のお数寄屋坊主が、道庵の背中を叩いてけしかけるものだから、
「なるほど、奇妙奇妙」
道庵には、この緩慢なる行列の正体がわかっているのかどうか、しきりに奇妙がって、中を見おろしていると……行列の主人公とも見える、水々しい新元服の美男が、いかにも横柄《おうへい》に、
「お取持、お取持」
と呼びます。
「はっ!」
中老人の羽織袴のお取持、これは多分、先方からこの客を迎えのための案内役と覚しいのが、鞠躬如《きっきゅうじょ》として、まかり出てくると、新元服が物々しく、
「せっかく、お招きにあずかったは嬉しいが、前に、このような山があっては、進もうにも進まれませぬ」
と言
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