ば人間も憎めないではないか、とさえ考えさせられました。
そうして、聞きようによれば、ここにその淫乱後家の情事をズバズバとすっぱぬいているこの四十男も、どうやら、口を拭いた覚えがあるような、それを、得意がってのろけているようにも聞える。合浴の中婆さんまでが、いい気になって、お前さん、なかなか人が悪い――と四十男の肩をつついてニヤリとする。
「あなた様なんぞもお若いに……穀屋の後家さんがいなさらん時分においでだからいいもんの、夏うちなら食われてしまいましたぜ、なんしろ十五から六十まで、油っ気のある男なら、イヤと言わないで、一日に二人ぐらいは食べたおばけですもんな」
それでいて、何の因果か、浅公だけは離れられずに通したのは、後家さんが浅公に何か弱点を握られているせいだともいうし、浅公の方で、後家さんの油っこいのに離れられないのだともいうし、後家さんは浅公を、振って振って振り通しながら、それでも番頭代りに打捨《うっちゃ》れないで、おもちゃにしていたが、その浅公を前に置いて、思うさまふざけた真似をして見せたが、浅公泣きながら、その圧制に甘んじていたこと――そこで四十男はいい気になって、もう少
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