た》の方では、しょっちゅう、いくさ[#「いくさ」に傍点]ばかりしているんですってね」
と言いますと、
「しょっちゅうというほどでもありませんがね」
と北原が答えました。
「いやですね、いくさ[#「いくさ」に傍点]なんて」
「戦《いくさ》も、時と場合によりけりでね、大義名分のために戦わなければならぬこともありますからな」
「戦《いくさ》をしないでも、何とか話合いがつきそうなものじゃありませんか」
「だって時と場合ですからね、今に上方《かみがた》の戦が江戸までやって来ますよ、お雪ちゃん」
「そうなると、日本中が、いくさ[#「いくさ」に傍点]になっちまうんですね」
「まず、そんなものです、お雪ちゃんの故郷だという甲州なんぞも、当然捲き込まれてしまいますね」
「でも、この白骨までは来ないでしょう」
「さあ、日本中が戦《いくさ》になっても、ここまでは舞い込んで来ますまいね、第一、大砲《おおづつ》が通りませんからな」
「ほんとうに、わたしたちは仕合せです、いつまでもこの白骨におりましょう、ねえ、先生、あなたも、たとえ、お眼がなおっても、二度とふたたび戦に出ることなんぞはおよしあそばせ」
この時、
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