をどうしたか、女の行方《ゆくえ》がかいもく知れなくなった。血眼《ちまなこ》になって、大の男二人が騒ぎ廻るのが笑止千万、実はまか[#「まか」に傍点]れたのだ、とうからきゃつにすっかり鼻毛を読まれていたのだ。地団駄《じだんだ》ふんでも追っつかない、女と侮った――あちらが役者が一枚上だ。そのまますごすご引返してここへ来る器量の悪さ――実以て面目次第もござらぬ」
 だが、この話だって、どうだかわかったものではない。
 果して、まか[#「まか」に傍点]れて、器量悪く戻って来たものか、或いは、散々《さんざん》もみくちゃにして、突っ放して引上げたものか、保証の限りではないが、とにかく、あの女をここへ連れて来ていないことは本当らしい。
 まもなく二人は切上げて、これから湯に行くと言いました。
 湯に行ったついでに、誰か留守番の者に、我々の部屋を周旋してもらおうと言い出したのは、いつまでも、兵馬と同室にいるつもりではないらしい。
 果して二人が出て行くとまもなく、留守番の男がやって来て、御同宿のお方を、この突きあたりの二番目に致しましょうといって、そのすべての持物を運びはじめました。
 厄介払いをしたつ
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