さ加減に、呆《あき》れたものらしい。
「エヘヘヘヘ、おあぶのうございますよ、無暗にお抜きになってはいけません、ただ手入れをなさる分にはかまいませんが」
「あぶないと思ったら、そっちへ寄っていろ」
ピグミーを振り飛ばすと、竜之助の刀が、スルスルと鞘を出でました。
「さあ、事だ」
もんどり打ったピグミーは、一間ばかりかなたへ飛んで、そこへペタンとかしこまると、さも大仰な表情をして、両手をついたものです。
そんなものには取合わず、竜之助は刀を拭いはじめました。打粉《うちこ》をふって、例のやわらかな奉書の紙で、無雑作に二度三度拭うているのを、ピグミーは仔細らしくながめて、
「結構なものでございますな、お作は何でございますか、郷《ごう》ですか、なるほど、郷の義弘でございますか」
出しゃばり者め、問われもしないに知ったかぶり。
竜之助に取合われないものですからピグミーは、少しばかりテレたが、尺とり虫のように身を屈すると見れば、早くも刀の手もとまで飛び込んで、竜之助の柄《つか》を持っている左の手を足場にして、仔細らしく刀身の上をのぞき込み、
「ははあ、五《ぐ》の目《め》乱《みだ》れと来てい
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