斎先生の一子新太郎殿がかけつけて、二人をしとめたということでした」
「ははあ、それは初めて承りました」
「普通の浪士の斬合いと違って、有名な剣術者の真剣勝負でしたから、これは後学のために見ておきたいと、かけつけた時は、もうすでに事が済んでいたので残念でした」
「そうでしたか。して、高部と三戸谷の両人はその場で斬られ、酒に酔わされて縛られた仏生寺弥助殿はどうなりました」
「三人ともに討首《うちくび》になったということは聞きましたが、その後のことは聞きません、まさかここに来ている仏頂寺殿が、その仏生寺殿の生れかわりであろうとも思われませんが……」
「なるほど」
兵馬が、またも考え込んだ時、
「さあ、火がおこりました」
久助が火をハサんだので、お雪がまだ以前のところに立っているのを知りました。
十三
お雪ちゃんのこのごろの仕事は、社会奉仕といえば一つの社会奉仕でしょう。
ほかに女手の一つもない大きな宿屋の中のことですから、男で気のつかないことは、何でも自分の手でしてやらねばならぬという責任でもあるかのように、何かと気を配らずにはおられません。
そこで、自分の炬
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