言い合わせたように、こちらを見ましたけれど、お雪の姿は柱に隠れて、縦にその半身だけしか見えません。
しかも、その半身といえども、薄暗がりのところに白く漂うているものですから、はっきりとは認めることができないのです。
「どうしたのですか、今日は、どのお部屋も、どのお部屋も、みんなお火が消えてしまいます。わたくしどもの座敷も、それから、昨日おいでになった二人のおさむらいさんも、火が冷たい、火が冷たい、とおっしゃりながら、お酒を召上っていらっしゃるし、それから、若いおさむらいのお方のお部屋も、とんと立消えがしているようでございますから、ついでおきましょう」
といって、お雪は、ひのし型の十能《じゅうのう》を差出しました。
「そうですか、では、あとから私が持って行って上げましょう。お雪さん、まあ、こちらへ入って皆さんとお話しなさいまし」
久助は招いたけれども、お雪が心安く入って参りませんものですから、自分が立って来て、お雪の手から十能を受取って、炉辺へ戻り、火の塊を物色したが、どうも思わしく盛んな塊が無いと見えて、新たに木炭を炉の中へ加え、
「これが、かんかんとおこってからに致しましょう、焚
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