立場には同情し、どうか成功させて上げたいと、これでも、蔭になり、日向《ひなた》になって、相当苦心しているのだ、それを君が買ってくれないで、事毎に、われわれを出しぬくような真似《まね》ばかりされたんでは、われわれとしてもやりきれない、第一、われわれ亡者と違って、前途ある君の生涯をあやまらせたくないのだ」
 あんまり有難くは聞けない諫言立《かんげんだ》てを、聞いているのがばかばかしい。
「君たちのいいようにし給え」
と兵馬は、聞きようによっては自暴《やけ》に聞けるようなことを言って、また最初の通り、縁台の上へゴロリと横になってしまいました。そうすると、仏頂寺は女の方へ向いて、
「ねえ、松太郎君、君もそうだよ、いかに商売柄とは言いながら、少しは分別というものをおいてもらわなくちゃならん、無茶苦茶をやっては、つまり己《おの》れの身が詰まるばかりだ」
「それはよくわかっていますけれども、どうも仕方がありませんわ、運命というものなんでしょう、わたしたちの身の上なんぞは、世間並みにごらんになると違います」
「その運命というやつが不思議なものなんだ。ところで、どうだ、正直のところ、ああは言ったものの、
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