なと古《いにし》えの人が申しました。あなたの恵まれたる生活がかえって、あなたの不幸でございました。それゆえに、何か不平不満の起りました時には、あなたは自分の仇敵《きゅうてき》のために、自分の持場を荒されたように、身も、世も、あられず、憤怒の火で心の徳を焼いておしまいになります、不平、不満の起りました時、ついぞあなたは、今まで自分の受けておいでになった有り余る満足と、我儘とに、思いおよぼしたことはございませんようです。天性、花のように生み成された御容貌が、無残にそこなわれてしまった怨《うら》みを、骨髄に徹するほど無念にくり返し、くり返し、私はあなたのお口から聞かされました。しかし、私に言わせますと、あなたの御容貌を微塵《みじん》に打砕いたそのものは、あなたの継《まま》のお母さんではありません、また、そのお母さんに味方をするという一類の人たちではありません、あなたの心の増長が、その面《かお》を焼きました」
 おしゃべり坊主は土に坐って、一気にこれだけをしゃべりました。

         三十二

「何とでもおっしゃい」
 お銀様も、土の上に腰をおろして、相変らず冷然として、おしゃべり坊主
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