「知っておりますよ」
「ところで、お前さんのそのお茶屋へ売ったという娘さんは、今年いくつにおなりだえ」
「十七になりましたでございます」
「十七……いいところだね、十七姫御が旅に立つってね」
「はい、はい」
「きりょう[#「きりょう」に傍点]は、どうだね」
「左様でございますね、瓜の蔓《つる》に茄子《なす》はならねえのでございますから」
「だって、お前、鳶《とんび》が鷹《たか》を生むということもあるぜ」
「へえ、まあ、不具者《かたわ》でないのが見《め》っけものでございますよ」
「鬼も十七、山茶も出ばなといって、不具《かたわ》でさえなけりゃあ、娘ざかりだから、乙なところがあるにきまってらあな」
「どういうものですか」
「どうだい、その娘さんに、これから婿《むこ》を取らせなさるのかい、それとも嫁《よめ》にやってもいいのかい」
「そりゃ、まだ兄弟が幾人もございますから、相当なところがあれば、片附けたいのでございますよ」
「そうか、ひとつ世話をして上げようかね」
「お頼み申します」
「江戸じゃいけねえのかい」
「お江戸なんぞへ、山出しのあれが納まるものじゃございません」
「それじゃ奉公はど
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