したところのものを見やると、
「あ、これですか」
「何だい、そりゃ」
「こりゃ、絵馬《えま》の額ですよ」
「絵馬には違いないが、お前さん、その絵馬をどこから持っておいでなすった」
「これですか、イヤな絵馬ですよ。お茶を一つお上りなさいまし」
 与八は、お茶をついで、七兵衛の前に差出してから、改めて問題の絵馬を無雑作《むぞうさ》に取り上げて、
「こりゃ、お松さんが持って来たものなんですが、どこから持って来たか、わしは知らねえが、あんまり縁起でもねえ額だから、おっぺしょって、火の中へくべってしまおうと思っていたところです」
といって与八は、いったん自分が二つに踏み割ってしまった絵馬を、もう一ぺん細かくさいて、それを眼の前の炉の火に投げ込もうとしますから、七兵衛があわててその手を押えました。
「滅多なことをしなさんな、それでも絵馬となりゃ、納める人は丹念して納めたに違えねえ、まあお見せなさい」
 七兵衛は与八の手から、二つに裂けた絵馬を受取って、その怪我をいたわるような手つきであしらいながら、裏と表を一ぺん通りジロリと見渡してから、膝の下へ置き、
「誰がこの絵馬を持って来たんだって?」
「お
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