して、われわれどもが申し聞かせて置くことがあるから、そこへ坐れ」
「坐れ、坐れ」
 一人の総代が先に口を切って、あとの六人が無理矢理に与八を、道場の板の間へ押坐らせてしまいました。与八はもとより少しも抵抗のふうはなく、押据えらるるままに板の間に、ちゃんとかしこまっていると、総代の一人が、
「これ、留守番、拙者は我々同志の総代で笈川《おいかわ》と申す者だ、そのほうに申し聞けて置くことがあるからよく承れ。聞くところによれば、当道場では、このごろ手習に事よせて、多くの小児を集めるのみならず、地蔵のお集まりと称しては近隣の若い者、娘たちを呼び集《つど》えて、舞を舞い、踊りを踊って、昼夜相楽しむとの噂《うわさ》がある。また人々に和歌を教え、学問を授けると称して、悪思想を村々に吹き込むとやの噂もある。いかがわしい地蔵の像を刻んでは盛んに売り出して暴利を貪《むさぼ》り、怪しげな呪文《じゅもん》や護符《ごふ》を撒布して愚民を惑わす、との風聞も頻《しき》りなるにより、我々同志が事情を篤《とく》と見届けに参ったのだ。しかるに主人不在とあるゆえ、そのほうに申し残す、きっとたしな[#「たしな」に傍点]まっしゃ
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