その通り、それに違いありません。つまり海を耕すことですな、陸地を耕して穀物を得るように、海を開墾して魚介をあげる、なるほど、これはまだ日本人が充分に着眼していない問題のようです……一番絵筆をなげうって、漁業家になろうか知ら」
「やって御覧なさい、陸を耕すも、海を耕すも、同じことですよ。たとえばです、今われわれが食べたあのジャガタラ芋《いも》、あれも海外から来たものですが、ようやく日本のものになりそうです。サツマイモはもう、日本の本来の国産でもあるかの如く流行して来ました、それと同じように、海の魚でも……海といわず、川でも、湖でも同じですが、甲に無かったものを、乙に移すこともできるし、異種類と異種類とを組み合わせて、変った風味の魚肉を賞玩《しょうがん》することもできましょう。たとえば鯉という魚は、アジア洲に限ったものでしたが、十字戦争の時に、オースタリーという国の手で、アジアからヨーロッパへ運ばれました。鱒《ます》の種類で、虹鱒《にじます》というのが、育ちが早くて旨《うま》いというので、諸国の人が、アメリカからそれを移したがっているから、追々こっちへ来るかも知れない――といったようなもの
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