六尺棒が合点《がてん》したのは、お角が立戻って、自分の乗って来た駕籠を押開いて見せると、その中には、さいぜん山崎譲がこの男から剥ぎ取った一切のものが、まとめてそこに入れてありました。
「なるほど」
再び、がんりき[#「がんりき」に傍点]の傍へ寄って来て、その棒縛りの縄目を解きにかかったお角は、
「ほんとに冗談《じょうだん》じゃないよ、このザマはこりゃ何だい。駿河の徳間峠にしてからが、甲州の猿橋の時にしてからが、覚えがありそうなもんじゃないか、ちっとは、あきらめがつきそうなもんじゃないか、世話の焼けた野郎じゃないか」
「済まねえ……」
「済むも、済まないも、わたしの知ったことじゃないよ」
「かまわねえから、ほっといてくれ」
「かまおうと、かまうまいと、お前の差図は受けない」
と言いながら、お角は、とうとうがんりき[#「がんりき」に傍点]の縄目を解いてしまいました。
縄目を解かれても、この野郎は、もうかなり弱っているから、ちょっとは身動きもできないでいる。
「てんぼうの裸身《はだかみ》なんぞは、誰が見たって、あんまり見いいものじゃないよ」
といって、お角は、若い衆に手伝わせて、この野郎
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